まだガスが残っているのに点かなくる、百円ライターのストレスに耐えかねて、
引き出しの奥のオイルライターを引っ張りだした。

36年前、兄の大学進学に便乗して来た花の都"東京"での買い物だ。
人の多さだけでも物珍しくて、(本当！いなかの初詣や祭の日よりにぎやかだ)
引っ越しの手伝いも適当に、早稲田の兄の下宿を起点に自分の地図を拡げていた春休み。
たいした東京の知識(情報)と小遣いもなかった私がハマったのはアメ横だった。
舶来やバッタもんがいっぱいあって、しかも安くてワクワクした。今思うと恥ずかしいが・・事実。
そこで買ったペリカンの万年筆とオイルライター。十七か六の高校生にしては背伸びしているなと思うけれど、
文字は打つものでなく、書くものだったし、
高校生はタバコを吸うのが健康的な成長だった時代だから身の丈なのかな？

軽くメンテナンスをして、石を入れ、オイルを注入した。オイルってナフサなんだ、ジェット機の燃料だ。
石摺を親指で回転させる。ゆるくアカっぽく燃える、ガスライターより温度が低いんだ。フ〜ン。
油の燃えるにおいも石油ストーブみたいで懐かしくなってしまう。

愛煙家は迫害されているけれど、喫煙の宇宙をもっと追求すべきだったんだなと思う。
喫煙具ってとても深い世界はずだったけれど、
海岸の砂浜でいちばん目に付く漂着物はプラスティックの100円ライターだからね。

2.3年使っていないペリカンもメンテナンスしようっと。
パーカーのキングズブルーをすわせて、絵を描きたくなった。

チャイムで「良い子のみなさんは・・・」と流れる頃には、もう暗い。
陽が落ちるのが早いとさみしくなってしまうのは歳をとったせい。
ちかごろ謙虚でシャッタースピード1／60以下じゃ撮らない。
歳的には、四捨五入で1／50までだいじょうぶなはずなんだけど・・・。
ストロボの力を借りて、パチリ。
ピントの甘さをカバーしてくれる、杖はないのかな。
ちぇっ！1／4まで大丈夫なんて思っていたのは、いつの日までかな？
ススキ。好き。

志望校は決まったの？
やかん？
夜間高校っていうこと？
ホ〜偉いね！
昼間働くんだ。
え〜！
彼女は自力で行けるところも、行きたいたところも無くて、とりあえず夜間。
どこでどう変わるかわからないけれど、とりあえず失礼だよね。
おい、パンツ見えてるぞ！
お互いに、うざったい 。
先生が私に気を使う。そんな座りかたはないでしょ！

君が気をつければ、どこかで誰かが、君を待っているって想像できない？

背筋を伸ばして、レンズをちゃんと見て、笑わない。素顔だよ。

特別美人でもブスでもない君が映ってるよ。
いきたいところへいくんだよ！
さみしくなるほど無防備 、後味の悪いこともある。

世界一のタワーが夕焼けにシルエット。
黄昏れっちゃうんだな〜。
首都高速向島線。

今日の公園。

風が景色を変えた。
パワーってこんな事なんだね？
とにかく、変わった。
面倒くさいこと多かった先月。
いろんな大切な事落としてた。
悔いてもしょうがないって　慰めも、言い訳が思いつかない。
う〜ん？
思いどうりにはいかない。
とりあえず。